小悪魔な彼
 
案の定、かくれんぼをする子供たちが、神社の裏に回ってきた。


「おにいちゃんたち、何してるの?」
「あ、らぶらぶしてるんだー!」


「ち、違うよ!!」


小学生にからかわれ、慌てて弁解する自分。


颯太は大きくため息をつき、うなだれていた。


「おれたち、じゃましちゃった?」
「そんなこと……」

「そーだよ。
 すげー、邪魔」

「颯太!!」


めずらしく、颯太が子供たちに向かって暴言。

だけど目は笑っていて、頭をぽんと軽くたたいていた。


「邪魔したんだから、しっかり隠れろよ」

「おう!おにいちゃんも、がんばれよ!」

「うるせ!」


子どもたちは、さらに奥に入っていき、茂みの中へと消えて行った。


「あー……もう最悪…」


その瞬間、颯太は再びうなだれた。
 
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