小悪魔な彼
 
「そのわりには、しっかりと子供の相手してたね」
「子供には、罪はないですから」


理性が戻ったのか、口調もいつも通りだ。

少しだけほっとして、颯太に手を差し出した。


「続き……
 今度、ちゃんとしたときに……しようよ…」

「……」


あたしの言葉が予想外だったのか、颯太がぽかんとしてあたしを見上げる。


「な、何か言ってよ!!」
「あ、すみません……。
 まったく予想してなかった言葉だったもんで……」

「もう嘘!今の言葉は撤回!!」

「いやっ、撤回しないでください!
 めちゃくちゃうれしいんですから」


せっかく差し出した手を引っ込めようとしたら、それを引っ張られた。


「こ、こらっ……」


そして後ろから抱きしめられた。
 
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