小悪魔な彼
峰岸くんは……頼れる…。
年下とは思えないほど、しっかりしていて、知識も豊富。
「……頼れる…」
「俺は香澄先輩よりも、背が高いですよ?」
「……そうだね」
あたしより、15cmくらいは高い。
いつも見上げる身長だ。
「包容力は……ありますかね」
この質問に関してだけ、少し不安げに聞いていた。
きっと今ここで、初めて聞いたからだ。
だけど……
もし、包容力がなかったら……
峰岸くんは、今この場にいない。
包容力があるから、別の男の人で泣いているあたしを、追いかけてきてくれたんだ。
「あるよ……。包容力……」
悔しいけど……あたしよりもずっと……。
峰岸くんは、にこっと笑い……
「きゃっ……」
あたしを抱き寄せた。