The side of Paradise ”最後に奪う者”

「ちょうど今、うちの上席副社長がインドに出張しているの。
明日、上海で一つ仕事が入っているから、それが終わり次第、日本に飛ばせるわ」

「わかりました。
 ではこちらでホテルを手配いたしましょう」

「カテドラルの近くにあるホテルがいいわ。
 あそこの庭が好きらしいから」

「そうですか。
 では後は秘書同士で詰めさせましょう。
 明日を楽しみにしております」


さやかが笑い声をもらした。


「こちらこそ」


電話を切って首を傾げる。

なんか含みがあったような気がするが。

涼は時計に目を走らせる。

今日は食事の予定が入っていた。
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