The side of Paradise ”最後に奪う者”
事業は、さやかと涼とでも話し合いがなされ、担当者レベルで調整が行われ、契約書締結まで話は加速度的に進んだ。
「ではサインですが、僕がNYまで伺います」
「いえ、大丈夫よ。
こちらから行くわ」
「しかしお体に触ると思います」
さやかは臨月に入っていた。
「代理を送るわ」
「代理?」
涼はちょっと戸惑った。
力関係で言えば、こちらが出向くのが当然だった。