契約妻ですが、とろとろに愛されてます
翌日、目を覚ました私は琉聖さんを見ると安堵した。


「気分はどうだ?」


朝方、酸素吸入器は外された。


「少し怠いだけ……」


全身を襲う怠さ、眩暈、動悸、吐き気に戸惑う。


いったいどうしちゃったんだろう……。


琉聖さんの手が額に置かれ、熱を確かめている。


「怠いのも無理はない かなり熱い」


琉聖さんは私の頭上ナースコールを押して看護師さんを呼ぶ。


まだ若そうな看護師さんがすぐにやってきた。


「先生を呼んできます」


看護師さんは出て行ってすぐに女医さんを連れてきた。


「熱は注射をしたから下がると思うけど、身体は辛いと思います 貧血も強いから一人では動かないでね」


髪の毛をポニーテールにした女医さんは私を診察すると言った。後ろに控えていた先ほどの看護師がカルテに書き込んでいく。


「わかった ありがとう 玲子」


琉聖さんの言葉に私は驚いた。


今、玲子って……?


不思議そうな私の顔を見て、女医さんが出て行ったあと琉聖さんが口を開く。


「玲子は真宮の主治医の娘なんだ 小さい頃から知っている」


「すごい偶然ですね」


「ああ 柚葉の担当医になるとはね まだ脚の傷は痛むか?」


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