契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「痛くないです それより、早く会社へ行ってください」


壁にかかっている時計を見ると、もうすぐ八時になろうとしている。


「会社は心配しなくていい」


「でも、アメリカから帰ったばかりだし、仕事も溜まっているでしょう?」


「俺には有能な秘書がいるから少しくらい大丈夫だ」


「でも……」


「仕事ならここでできる」


そう言われて初めてこの部屋の豪華さに気が付く。


「あ……ここって……病院?」


「今頃どうした?記憶喪失になったのか?」


「だって、こんな豪華な病室見たことないですよ?」


「君が検査を受けた大学病院だ」


「……高いですよね?私は一般病室でいいんです 代えてもらってください」


「ここでいいんだ 柚葉は気にしなくていい」


「でも……」


「快適に過ごさせたい それではだめか?」


琉聖さんは困った様子だった。初めて見る顔だった。


「……じゃあ、お言葉に甘えますね」

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