契約妻ですが、とろとろに愛されてます
看護師さんがいなくなると、琉聖さんがベッドの端に腰をかけ私の手にお箸を持たせる。


「ちゃんと食べろよ それとも食べさせようか?」


「えっ?だ、大丈夫、ひとりで食べられます」


そう言ったものの、なかなか箸が進まない。じっと見られているのも恥ずかしい。


「……琉聖さん、朝食は?」


「君が食べたらな」


「う……」


私が食べ終わらないと琉聖さんは食事に行かない。早く食べに行けるように少しずつ食べ始めた。半分ぐらい食べると琉聖さんは笑みを浮かべてもう良いぞと言った。


私はホッとしてお箸を置いた。少しの間、起きて食べていただけなのにどっと重いものが肩に乗ったみたいに疲れを感じる。


琉聖さんはテーブルを片付けると私を横にさせた。


「食事に行ってくるから眠ってろよ」


「はい……」


横になると身体が少し楽になった気がする。目を閉じると、琉聖さんが私の手を握ってくれたのがわかった。安堵感に包まれて私は眠りに落ちた。

< 105 / 307 >

この作品をシェア

pagetop