契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「ありがとうございます あの、琉聖さんはこのことを……」


「……知っているわ 柚葉さんのことはすべて教えるように言われているから」


琉聖さんに大事にされている……守られている……そう思うと、心が温かくなった。


玲子先生は私に柔らかい微笑みを漏らすと、看護師さんに指示してから出て行った。


読みかけの小説を読んでいると、琉聖さんが大きな花束を持って入って来た。


「琉聖さん」


琉聖さんの顔が隠れるくらいのとても大きな花束に驚く。


「こんなに大きな花束……」


「綺麗だろ?」


私があっけに取られている姿を楽しんでいるみたいに悪戯っぽい笑みが浮かぶ。


「とても綺麗……」


昨晩は病室に泊まってくれたけれど、私が起きた時には琉聖さんはすでに会社に出勤していた。まだ琉聖さんはスーツ姿。真夏の茹だるような暑い外から来たのに琉聖さんは涼しい顔をしていた。


「嬉しい……ありがとうございます」


花束を渡されて、顔を埋めるようにして香りを嗅いでからにっこり琉聖さんに微笑む。


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