契約妻ですが、とろとろに愛されてます
タオル地のバスローブを素肌に身に着けて寝室へ戻る足取りは重い。


シャワーを使っただけで疲れてしまった。


ドレッサーの前に座ってのろのろとした動作でドライヤーを髪にあてる。


髪の毛が渇くと、両サイドを少し取って結いあげ、残りの髪は垂らしておくことにした。


耳が露出しているので、琉聖さんからプレゼントされたダイヤのピアスを付ける。これを付けるたびに落としてしまうのではないかと心配だけれど、あのドレスに似合う装いをしたい。


髪が終わると、血色の悪い顔にお化粧を始めた。


後はドレスだけ……時計を見ると四時を過ぎていた。


物音がしてハッとすると鏡の中に琉聖さんの姿を見つけた。


「琉聖さんっ お帰りなさい 早かったね?」


「ただいま 支度は進んでいるようだね?」


琉聖さんは笑みを浮かべると近づいてきて、頬にキスを落とした。



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