思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜
カボチャポテトサラダを取り口に運ぶ。
少しカレー風味に味付けしてあって、つまみにしては贅沢すぎるボリュームだ。
「美味しい」
グラスの生ビールがさらに美味しくなる。
「はい、オムレツ!」
隣のサラリーマンにはオムレツが、これまた皿に盛り盛りになって渡される。
さっき私が「多い」という反応と同じリアクションをするサラリーマン。
「多かったら、香澄ちゃんと分けててねー」
マリさんが言う。
「えっ、私?」
左側のオムレツの皿を思わず見てしまった。