リア恋DASH!
彩夏がいなくなってあたしは、

自分の席に戻った。


羽鳥の座る前の席に座るのは超キンチョウする。

ガタン

必要以上に大きな音が出た。


羽鳥は迷惑そうな顔で本から視線をあげ、あたしを見る。


やだ、こっち見てる

っていうかあたしが前に座ってるから普通なんだけど、

意識しすぎなんだけど…


「おい!」


わ~幻聴まで聞こえてくる~


「おい、有川無視すんなよ!」

「え?よ、呼んだ?」


「呼んだ。」

振り返ると不機嫌そうな顔であたしを見てる。


「無視すんなよ。」

なんで睨むの~


「えっ、してないよ、ごめん気がつかなかっただけ。」


「なんで、俺が超ミーティングにいたってあいつ言ってんの?」


「え?」


「だから~なんで?」

怖いっ


「あ、ええと、あたしたちも行ったんだよね。

 で、いま写真見てて…」


「写真?」

眉が上がって

表情が変わった


「うん。羽鳥が偶然写ってて…」


「見せて。」


「え?あ…いやそれはちょっと…」


「見せろよ。」


ひいっ

睨みつけられて

渋々差し出す。


こわ~い


「これだけど、ちょっと写ってるだけだよ」


羽鳥くんはひったくるようにあたしの手から引き抜く

ああ、ひどいよ、

そんな風に乱暴にしなくたって…


写真を見て一瞬息を飲んで、

それっきりまるで時間が止まったように

ずっと写真の一点を見つめていた。













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