あなたは笑顔で…
「どうして…ここに来たのかしら……?」
自分でも、よく分からない……
雨のせいで萎れているひまわりが光と重なって見える。
ひまわりが萎れているのは……光が弱っていくのは、私が光のそばにいたせいなんじゃないかと思ってしまう。
「だったら、私の選択は間違ってなかったのかしらね…」
雨の音で私の声はかき消された……
と思ったが……
「馬鹿華、何が『間違ってない』だよ」
その声と同時に私は振り向いた。
「夜……帰ってなかったの?」
「誰かさんが心配だったんだよ」
苦い顔で私を見る夜。
「言ったよな?素直になれって。
華は……それでいいのかよ。本当にそれで、後悔しないのかよ」
「……後悔なんて、しないわ」
するわけないじゃない……
だって、それが正しいんだもの……光にも、私にも………
「それなら、なんで泣くんだよ」
「、え……?」
泣く……?
私が……?
「これは雨で、私は泣いてなんか……泣いてなんか…ないわ」
泣いてなんか、ないわ……
私の態度を見て夜はため息をついた。
「……こういうときの華には、何を言ってもムダだな。
仕方ないからそう言うことにしといてやるよ」
夜は手を私の方に差し出した。
「一緒に帰るぞ」
「……うん」
今は、一人になりたくない。
一人になったら、どうにかなってしまいそうだったから。
私は夜の手に自分の手を重ねた。
光……
限られたあなたの人生を、どうか幸せに……
あなたの前からいなくなることが、私のせめてもの償い。
あなたを殺す私を許さなくてもいい。恨んでもいい。
だからせめて、あなたの幸せを願わせて……