あなたは笑顔で…
いつも訪れていた病室に入ると、そこにはいろいろな機械に囲まれた光の姿。
……命の灯火が、消えかけている。
「じゃあ、光くんのことよろしくね」
私が頷くと看護師さんは少し笑みを浮かべて出ていった。
私はゆっくりと光のもとへ近づく。
「……光、聞こえてる?」
普通の大きさで言うけれど、反応はない。
「あれは、どういう意味だったの……?」
そっと、光の柔らかな髪に触れると、暖かかな温もりが伝わってきた。
『俺の命、華にあげる』
光は、何かを知っていたの?
知っていたのなら、何を……?
「教えてやろうか?」
唐突に聞こえた声に振り向くと
「………夜」
「よ」
少しだけ複雑そうに笑う夜がそこにいた。
「……どういうこと?
どうして夜がそれに答えられるの?」
「まぁ落ち着けよ」
「これが落ち着ける状況に見えるわけ?」
「まぁまぁ」
焦る夜を見て、少し冷静になる頭。
はぁ、と大きく息を吐いて私は夜を見つめる。
そんな私を見て、夜は口を開いた。
「あの日、華とこの病室で会ったときの夜中、光クンに会いにいったんだよ。
……華のこと教えに」
「私のことを……?
まさか……!!」
でも、そんなこと……
「そのまさかなんだよね」
「………!!?」
じゃあ、
「光は、私が光の命を取る死神だってこと、知っていたの……?」
「そうなるな」
「そ、んな……じゃあ、」
知ってて、光は私のことを……
「……その話をしたときさ、さすがにへこたれるかなぁと思ったんだけど、光クン、なんて言ったと思う?」
「なんて、言ったの?」