君のところへあと少し。

16

とんとん、と階段を降りて来る音がして振り返ると、スーツで見慣れているナリが珍しくポロシャツとジーパン姿で立っていた。


「、、、、、。」

「なんだよ、似合わねぇとか言いたいのかよ。」

「か」

「か?」

「かっこいい…。」

びっくりだ。
スーツ以外だと裸かTシャツくらいのナリがお洒落したら、こんな感じになるのかぁ。


「似合ってるね。かっこいいよ。」

熱に浮かされたみたいに正直な気持ちが口をついてこぼれ落ちた。

「お…おぅ。サンキュ。」


あぁぁぁぁぁ⁉
今私爆弾発言した⁉


我に帰り自分の発言がこっぱずかしくなる。


これだから、勘違い甚だしいとか言われちゃうのに。


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