君のところへあと少し。

26

まだ日の昇らない海。

早朝薄明るい視界の中、波の中に見え隠れする人。

波打ち際に膝を抱えて座り、髪が風に舞うのをぼんやりと感じていた。


ー信じてくれー


ナリはそう言った。

だから、信じよう。ナリのこと。


今日が明ける。

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