君のところへあと少し。

44

週末だったら、歯止めが効かなかったかもしれない。


ハルは一週間の夏季休暇だから、ゆっくり休ませてやれる。

煙草を吸おうとしてハタと気付く。

(自分ちじゃねぇから、灰皿がないんだった。)

煙草をしまい、ベッドに腰掛け眠るハルを見やる。

真っ白な肌が、細い肩が、艶めいて見える。
長い髪を乱し、眠るハル。

(やべぇ、、、勃ってきた。)

寝ている姿を見ただけなのに。
どれだけ溜まってたんだか、オレは。
色即是空、色即是空、と心で念じる。

(抱かれてるハル、可愛いかったなぁ。オレ、はたから見たらロリだよなぁ。実際はハルのが5歳も年上なのにな。)


思い出し笑はヘンタイの得意技。

へらっとなる顔を叩き、下半身は抑え、ふと喉が渇いて水を飲もうとキッチンへ入る。

部屋の中で1番目を引いたのがキッチンだ。

大きな冷蔵庫。

水あるかな、と開けたらば。
そこには色とりどりのスイーツたち。


(そういやぁ飯も食わずにハル食ったんだった。何時だ?今。)

外してサイドテーブルに置いた時計を見る。

思ったほど、時間は経っていなかった。

(食いたいなぁ、プリン。)

でもさすがにハルに黙って食べるなんてできない。
でも起こしたらまたハルを取って食いたくなるだろうから…

「腹減った…」

しばらくぼんやりとしていた。



< 42 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop