東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「歌舞伎ですか…演劇の次は…歌舞伎を…」



「笑うな…貴様は俺が昨日行った行為を忘れたのか?」



「征史…さん?」



俺は椿に歩み寄ろうとしている。


愛は足枷のはずなのに…


俺は椿を愛そうとしていた。



「昨日の今日ですし…忘れられるはず在りません…でも、私たちは夫婦で…契りを交わすのは当然ですし…」




「…それ以上言うな!叩き斬るぞ!」



俺は壁に立てかけた軍刀を手にする。




「…貴方は私に憎んで欲しいんですね」



「そうだ!」



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