東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「後ろだよ…」



ヤツは俺の背後に回って、至近距離から背中に撃ちこんだ。



「!!?」


俺はその場に倒れ込んだ。



「…美味そうな匂いだ…軍人さんあんた…陰陽師の血を引いてるね…」



その場に仰向けに倒れ込んだ俺の身体から真っ赤な血が溢れ出す。



意識の遠のく中で訊く男性の言葉。



陰陽師ーーー・・・



誰にも決して明かしてはならぬと父上は幼い俺に言った。



母は裏切り者の陰陽師・土御門家の生き残りだと…


男性の言う通り…俺は陰陽師の血を引く。



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