東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「子供?」



ーーー御堂家の次期…嫡子となるかもしれないお子です


「そうか…でかしたぞ!!椿…そうか…そうか…身体…大事にしろ」



ーーーはい…



椿が俺の子をーーー・・・



俺も父親となるのか…



これで、御堂家の後継者としての役目が果たせる。



俺は後ろ髪を引かれながら、公衆電話を切り…外に出た。



「長い電話でしたね…御堂少佐」



「…樋川…訊いてくれないか?」


俺は誰かに言いたかった…

手っ取り早く目の前に立つ樋川に椿の妊娠を伝えた。






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