東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
帝様、お国の為に命を捧げる軍人の妻となるには生半可な覚悟ではなれないコトを彼の言葉で理解した。



愛は足枷かーーー・・・



そんな風に愛を表現する彼の瞳は何処か…寂しげで切なげだった。



「椿お嬢様…ご機嫌麗しゅう」


「東様」



東銀行の頭取のご子息。


彼との縁談話をあったけど…当時は15歳で…

お父様が早いと猛反対した。



「…御堂中尉も父の噂のもみ消しで必死なんですね。まさか…お嬢様に結婚迫るとは…本当に軍人のするコトは野蛮で横暴だ…」


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