東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
二人でシュークリームを頬張った。



「随分と濃厚な味のシュークリームだ…美味しい…」


「ここの店のシュークリームは美味しくて有名なの…」


「へぇー。94年後の世界の味は濃厚だが全体的に美味い」


「…気に入った?御堂さんは何でもOK?今度…美味しい…江戸前寿司の店に連れて行ってあげる」


「江戸前寿司か…楽しみだな…」



海里とは違って御堂さんは私に対して友好的だった。


彼には私しか頼れる人が居ないし当然だよねーーー・・・



「・・・どうした?千愛さん」



「別に…」


スマホを覗く私の顔を神妙に見つめた。



「この小さなモノは何だ?」



「スマートフォンよ」



「!?」



「電話よ」



「電話??あの公衆電話か!?」


「…公衆電話か…探すのに苦労する…絶滅しかけの電話ね…今はね…みんな…電話持ってて…話したい時に自由に話せるのよ…」


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