東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…他の使用人から訊いたですが…貿易業を営んでいた佐助様が失敗して莫大な借金を作り…行方を晦ましているようで…その借金の取り立てに銀行は旦那様を訊ねてるようです」



佐助様は私のお父様の弟にあたる方。

堅実的なお父様とは正反対に…破天荒な性格。


亡くなられたお爺様は二人が争わないように財産を同等に分与した。



「佐助様の作った莫大な借金を…銀行は身体の不自由なお父様に払わせる気なの?」



「それは…私に訊かれても…」



「ごめんなさい…秋貴方を責める気はなかったの…」


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