東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
上半身を露わにする俺を恥ずかしくて見られないのか…椿の大きな瞳は虚空を彷徨う。




俺はそんな彼女を尻目に軍靴も脱ぎ捨て、ズボンに手を掛けた。



壁の引っかけに吊るされた着物に着込んだ。




「…着替えは終わったぞ…椿」




「あ、はい…お役に立てなくてすいません」



「明日から着替えは貴様に任せる…明日はちゃんとしろっ」



「はい…」



「ちゃんと出来なければ…貴様の唇を奪う…」






< 88 / 300 >

この作品をシェア

pagetop