SS男子の落とし方

初デートでした。

「よっ!」

片手を上げてやって来たのは、こんなに暑い夏の日でも爽やかな咲也君。



「...30分遅刻。」


「ん?芽依、何か言ったか?」


「何でもありませーん。」


夏休みが始まった私達は、約束通り海に行くことになった。


まさか、待ち合わせ場所の駅前で30分も待たされるなんて...


地面に置いてあった荷物を持って、駅に入ろうとすると

「ほらよ。」

とペットボトルを渡された。


「何これ?」


「飲んだら?」


ペットボトルを振ると、コップ一杯分だけ水が残っていた。
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