SS男子の落とし方

対戦中でした。

「あっ...」

ぶつかった相手はマリアさんだった。


「貴女は咲也の...」


どうやら向こうも覚えているようだった。


"早くここから立ち去ろう"


そう思ったのに、マリアさんの手が震えていることに気付いてしまった。


「あの、大丈夫ですか?」


「えっ?」

マリアさんが大きな瞳を更に大きくした。


「手が震えてる。」

私が指摘すると、マリアさんが後ろに手を隠した。

何かに怯えてる...?


「何かあったんですか?」


思わず訊いてしまった。

いつもの悪い癖だ...
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