SS男子の落とし方

「ついでだから、言っとくけど
俺は芽衣の外見とか気にしないから。」


もしかして、正月の時の話?

ちょっとズレてるし、私の中ではさっき解決したよ。

心の中でクスッと笑う。


「平凡でも好きだから気にしない?」


「は?
外見に関しては事足りてるからだよ。」


どうしようもない王子様だ。


軽く叩いてやろうとしたが、アッサリ見抜かれて手を掴まれてしまった。


「残念。
悔しかったら、惚れさせてみてよ。
好きになったら可愛く見えるってこともあるみたいだし。」

ムカつく笑顔で、掴んだまま私の手の甲をトントンと指で叩く。



「さて。
課題も終わったみたいだし、帰るか。」


ポンっと頭を叩くと、帰る準備を促す。


「ほら。」

教室を出る前に、咲也君が左手を差し出した。


「早くない?」


「やっぱり可愛くねぇな。」


「自覚してます!
でも、いつもは学校出てから手を繋ぐでしょ?」


「気にすんな。」


咲也君に手を握られて、引きずられるように教室を後にしたー
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