SS男子の落とし方
「はーっ。
もう春から受験生だね。」

靴を履き替えた後も、咲也君と手を繋いで歩いていた。


「そうだな。
芽依、大学生になれっかな?」


「頑張るもん!」


「はいはい。
どうせ俺に頼るんだろ?」


可能性は...高いな。
教え方とか先生より上手だし。


「本当、どうすっかなー。」

ポツリと咲也君が呟いた。


「何が?」


「いや、別に?」

何だったんだろう?
大学のこととかかな?
ちょっと気になるけど、いっか。


「なぁ芽依。」

ぼーっと歩いていると、咲也君が前を向いたまま私を呼んだ。


「ちょっと頼みてぇことがあるんだけどー」


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