SS男子の落とし方

「あ、忘れ物。」

咲也君が気づいたのは家の前だった。


「悪りぃ。これで先に入って待っとけ。」

家の鍵を私に渡すと、咲也君は走って来た道を引き返した。


入っちゃって良いの?

と思いながら、咲也君の誕生日が知れるチャンスに気づいた。


「お邪魔しまーす。」

ガチャっとドアを開けて部屋に入る。


相変わらず綺麗に片付いている。

さて、どうやって調べようかな。

勝手に漁るわけにはいかないし。

取り敢えず、部屋をぐるっと一周見渡す。
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