嘘と微熱と甘い罠
うにゅ。
なんて擬音がぴったりハマるような。
相良に頬を掴まれてるせいで、タコみたいな口になる。
「いひゃいっひぇ!!」
「ちったぁ反省しろ」
「いひゃいって!!」
ペシペシと私の頬を掴む手を叩いても。
相良の手は緩まなかった。
緩むどころか、ますます力を込めてくる。
い、痛いーっ。
相良くん、お願いだからその手を緩めてぇ…。
ほっぺが赤くなっちゃうーっ。
その願いが通じたのか。
相良の手がパッと離れた。
た、助かった…。
でも痛い…。
痛みの残る頬を自分の手で押さえていると。
相良が眉間にシワを寄せたままため息を吐いた。