花と雨の恋物語【短】
部室を出ると、金木犀の香りがかすかに香った。
もう冬だな~・・・と思いつつ、夕焼けに赤く染まる空を見上げながら歩いていた。
「あたッ」
え???
よそ見をしながら歩いていたせいか、誰かにぶつかったようだ。
パッと下を向くと、女の子が散らばったスケッチブックを拾っていた。
「あっ、ごめん!!大丈夫!!?」
俺がそう声を掛けると、その女の子は俺を見上げた。
「う・・はい、大丈夫です」
俺は、その子と目があった・・・・・。
ドキン・・・・・・・
今、心臓、鳴った・・・・・???