唇が、覚えてるから
更に、手にはたくさんのお土産だ。
ウキウキしながら、私は商店街を歩いていく。
沢山お土産をもらったこともそうだけど。
隣に祐樹がいるから。
だって、この町に祐樹がいるなんて。
本当に祐樹と来ちゃったんだって。
いまだに信じられなくて、嬉しさを隠しきれない。
ふふっ。さっきから頬が緩みっぱなしだと思う。
「クククク……」
商店街を抜けたところで、祐樹が突然笑い出した。
「琴羽ってどんだけ有名人なの!?」
「ん?」
有名人?
なんで?
何かそんなアピールあったかと、来た道を振り返ってみると。
そこには最後のお店でおせんべい袋を持たせてくれたおじいちゃんが、私に手を振っていた。
私も大きく振り返す。