ルーツ
「だまれ!裕未にしゃべりかけるな!」
徹はそう言うと裕未を連れて、マンションの方へと走り出した。




走り出す2人の後ろ姿を見て男はため息をつき
また、取り出したピースに火をつける。


「まあ、おおむねよしとしようか


さあ、これからどう出てくる?
お手並みを拝見させてもらおうか」



男はそう言うと澄み渡った五月の空を眺める。


空は一点の曇りもなく、新緑の生い茂る公園を
覆い尽くしていた。
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