お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)


「っ、ぐはっ!」


 突如、背中にバシッと強い衝撃が。

 い、いだい(痛い)……。

 背中をじんじんさせながら後ろを振り返ると、ヘラヘラと笑う坊主頭がそこにいた。

 それは、カツの次につき合いの長い、幼なじみの男子だった。


「もうっ『カッシー』何すんのさ! 痛いじゃんかぁ!」

「ハハッ、ワリィワリィ。今日のお前、ずーっと怒ったり沈んだりして元気ねぇから、注入ってやつよ。
『元気ですかー!』なんちって! ダハハ!」

「全っ然似てないしっ」


 ヘタなモノマネをしたコイツは、小学校からの友達・鹿島裕也(かしま ゆうや)。さっき私が呼んだけど、『カッシー』というのがあだ名。

 カッシーの身長は163センチ。私との身長差が3センチしかないため、ヘラヘラ顔が余計目につく。

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