お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)
「何だよ、悩みごとかぁ?」
「悩みごとというか、困りごとというか……」
ラブラブなお父さんと真矢が、頭にポワンと浮かぶ。
その二人が憎らしくて、歯にギリッと力が入った。
「良ければ相談にのるぜ! 俺とお前は、小学校入学した時からずーっと同じクラスの仲だろ? 遠慮すんなよ!」
上から目線かい。私の肩をポンポンと叩いてくるし。
「調子のいいヤツ。いつも『どうせ同じクラスになり続けるなら、もっと美人が良かった』って文句いうクセに」
「お前はお前で、ちゃんと可愛いって思ってるぞ」
「それ、フォローになってないから」
「そう? ダハハッ!」
人の気も知らないでヘラヘラしやがって! 本当に相談にのる気があんのか、コイツはー!
「もーうっ! ハゲは窓でも拭いてろ!」
イラついた私は、バケツにかけてあったゾウキンをカッシーに差し出した。
「ハゲじゃねぇ! 坊主だっ!」
「どっちも一緒じゃん! いいから行ってこいっ!」
「はいはい、わかりましたよーっと」
カッシーは、陽気に口笛を吹きながら、ベランダへと出ていった。
たくっ、カッシーのヤツぅ!