お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)
「おいっ!! 咲華、大変だぁっ!!」
っ、ビックリしたぁ。
ベランダに出たばかりのカッシーが、興奮ぎみに叫んできやがった。
「な、何が大変なのさっ」
「外にセーラー服の美少女がいるぞ!!」
「は……はぁー? セーラー服の美少女だぁー?」
うわ。今一番聞きたくないフレーズだし。イラっときたわ。
真矢のニッコニコとした顔が、ますます色濃く思い出される。まるで、私をあざ笑うかのように……。
「あっそ。別に大変じゃないじゃん。早く掃除してよっ」
「いいから来てみろって!!
あの美少女……咲華の父ちゃんが勤めてる春学の生徒だぞ!!」
「いっ!」
春学の……生徒ぉ!?
私が密かに動揺してる間に、他のみんなはカッシーの言ったことに食いついて、一斉にベランダへと出ていった。
「わぁ、ホントだー! すっごい可愛いー!」
「あんなコ、見たことねぇぞ!」
春学の生徒で、みんなが騒ぐぐらいの美少女って……やだ。ものすごーく嫌な予感しかしない。
おそるおそるベランダに出て、その答えを知るべく下を覗いた。