YUKI˚*







その日の放課後



「まなみーん、帰ろー」



「ごめーんゆき!あたしこの前休んだので、委員会行かないとなんだー!」




「あ、そっか。頑張ってねー」




あたしがそう言うと、まなみんは足早に廊下を歩いていった



あーぁ



まなみんと帰れないのか…



残り少ない友達と過ごせる学校生活


その大切な時間を



できるだけまなみんと過ごしたかった




だから、少し残念




そんなことを思いながら



あたしは一人靴箱へと向かう





すると


そこには…川村くん




あれ



前にもこんなことあったような…





「おー白川、今帰り?あれ、佐々木は?」



「まなみん今日委員会だって。ほら、この前学校休んだときの分」



「あー、大変だなー佐々木も」




そう言って川村くんは靴を履き替える




「……一人で大丈夫か?」





この前まなみんが学校を休んだ日は、川村くんが一緒に帰ってくれた




家の方向は逆で


遠いのに




川村くんが優しいことは



もう何度も、わかってる





「いいよ、今日は一人で帰る」



あんまり川村くんに頼りすぎたら、いけないよね




一人でも、もう悲しまないように



強くならなきゃ



これからは二人とも離れてしまうんだから




「…そっか。気をつけろよ」



「…うん」



川村くんは、女の子一人で帰るのがそんなに心配なのかな


おおげさだなぁ



「ばいばい」




そう言って



あたしは一人、歩き出した







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