紙ヒコーキとアオイくん
カサリ。

小さく乾いた音をたてながら紙ヒコーキを広げると、現れたのは名前しか記入されていない進路希望調査票で。

なんとなく、ぼんやりとそれを見つめていたあたしに。それまで向かい側で黙っていた男の子が、口を開いた。



「……夢も希望も、乗ってないんすか?」

「え?」

「それ」



そう言って彼が視線で示すのは、今あたしの手の中にある紙のことで。

その口ぶりから、彼もこの紙ヒコーキを広げて中を確認したのだろう。あたしは思わず苦笑しながら、顔を上げた。



「あはは、恥ずかしい話なんだけどね。あたしはまだ、将来のこととか考えられてなくて」

「……この学校に通ってる時点で、将来わりとなんでもなれそうなもんですけど」



言いながら、彼は立っているのに疲れたのか、すとんとその場に腰をおろして正座する。

……って、それを同じ学校の生徒である自分で言うか。

相変わらず感情の起伏が見られない顔を見上げながら、あたしは心の中でこっそりつっこむ。


ていうかこの子、近くで見ると整った顔立ちしてるなあ……。

色白で、目は涼しげな一重。

鼻筋はすっと通っていて、なんだか、某有名男性アイドル事務所にいそうな感じだ。
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