Only One──君は特別な人──
竜くんは着信だけ確認して取ろうとはしなかった。

そして、電話は切れてしまった。

『女の子と飲んでる時に取らないってことは、彼女からだな』

男友達の一人が確信を持ったように言ってたっけ。

その時、分かったことは、竜くんには彼女がいるということ。

ちなみに他の二人はフリーだった。

彼女いるのに他の女と飲むってどうなの? 浮気にならないの?

って疑問を持ったことを覚えてる。

そして、あたしの中で彼女いることに少しだけショックを受けたことも覚えてる。

そろそろ帰ろうとなった時、竜くんはトイレに行くため席を立った。

そして戻って来た時、こそっとあたしのポケットに紙を入れた。

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