Only One──君は特別な人──
「──そっか~。そうですよね。彼女が来てるのに一度家に上げたことのある女がお見舞いなんて気まずいですよね」

「えっ?」

あたしはかおりちゃんの発言に耳を疑った。

一度家に上げたことのある女って…。

それって貴広はかおりちゃんを家に上げたことがあるの?

日本語が正しければそいう意味だよね? 頭が混乱状態だ。

「──神戸! やめろ!」

温厚な貴広がここまで声を荒げたのを見るのは初めてだった。

顔つきもとても険しい。

でも、かおりちゃんは怯む様子もなく笑顔でこう言った。


「──そりゃぁ、もえちゃんにはこの事知られたくないですよね? あたしがここに泊まってキスまでしたことなんて」


って……。
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