Only One──君は特別な人──
今日、あたしと会えなくなったのは、本命の彼女と会うため。

そんなの分かっていた事だった。

だからって、あんなところ見たくなかったよ。


今日、竜くんと過ごせたらあの公園に行こうと思っていた。

その後、美味しいケーキを食べようと思っていた。

それだけで充分だったのに。


もし、神様が本当にいるとするなら。

なんてタチの悪い意地悪をするんだろう。


そんなことを思っていたら、あたしを呼ぶ声がした。


「──水谷!」


あたしは肩を掴まれていた。

涙を拭い振り向くと大野さんが立っていた。




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