Only One──君は特別な人──
「あのあと、寝室まで運んでくれたんですよね?」

「うん」

「重かったですよね? もう本当すみません!」

「すぐそこの距離だろ? 運んだうちに入らないよ」

「……」

「とにかくもう何も気にするな。済んだことなんだから」

「はい」


大野さんがとても立派な大人に見えてならない。

こんなにも心の広い人に出会ったことにないかもしれない。


「──あたし今から帰ります」


これ以上いたら、更に迷惑かけそうだ。

どんどん図々しいくなっていく気がしてならない。


「送って行くけど」

「いえいいです。大野さん、シャワー浴びてたんですよね? 湯冷めして風邪引かせるわけにはいきません。それにここからけっこう近くに住んでますから」

「へぇ。そうなんだ」

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