Only One──君は特別な人──
落ち込んだまま、ベッドから起き上がり寝室を出る。
隣の部屋に行くと、大野さんはシャワーを浴びた後らしく、濡れた髪の毛をタオルで拭いていところだった。
「おはよう。昨日はよく眠れた?」
大野さんが、タオルを肩にかけながら言う。
濡れた髪の毛が色っぽく感じるのはなぜだろう?
あたしはドキドキしてしまった。
グレイのスエットもよく似合ってる。
「おはようございます。あの途中で寝ちゃったみたいですみませんでした」
「いいよ。オレは別に怒ってないから。それに迷惑なら家に帰してるから」
「大野さんはここで寝たんですよね?」
ソファーに毛布が一枚置かれているし。
あたしは寝場所を完全占領しちゃったんだ。