Only One──君は特別な人──

落ち込んだまま、ベッドから起き上がり寝室を出る。

隣の部屋に行くと、大野さんはシャワーを浴びた後らしく、濡れた髪の毛をタオルで拭いていところだった。


「おはよう。昨日はよく眠れた?」


大野さんが、タオルを肩にかけながら言う。

濡れた髪の毛が色っぽく感じるのはなぜだろう?

あたしはドキドキしてしまった。

グレイのスエットもよく似合ってる。


「おはようございます。あの途中で寝ちゃったみたいですみませんでした」

「いいよ。オレは別に怒ってないから。それに迷惑なら家に帰してるから」

「大野さんはここで寝たんですよね?」


ソファーに毛布が一枚置かれているし。

あたしは寝場所を完全占領しちゃったんだ。
< 45 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop