Only One──君は特別な人──
少し拗ね気味のような気もするし。だとしたら可愛いんだけど。


「──もうそろそろ会いたいよ」

その言葉が嬉しくて笑みがこぼれてしまう。

「もう会えるよ」

「明日にでも帰って来るのか?」

「さっき帰って来たよ」

「へっ? マジ?」

「うん」

「何で黙ってたんだよ? あぁ。そんなこと後で聞けばいいか。今から会いに行くから」


貴広はそれだけ言うと電話を切った。


ふと部屋を見回す。貴広がここに来る…。

途端に心臓がバクバク音を立て始めた。

チラッとベッドの方も見てしまう。もし今夜お泊まりになったら…。

って、何考えているんだか! あたしの脳みそ男子校生と変わらないかもしれない。


そして、一人でソワソワしているうちにインターホンが鳴った。
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