Only One──君は特別な人──
ものすごく楽しみにしていたんだけど──…






「──ごめん。もえ」

「えっ?」

「25日会えなくなった」


突然、竜くんからそんな連絡がきたのは23日の木曜日の夜のことだった。


「本当、ごめん」

「……」

「もえ」


あたしはショックで黙り込んでしまった。

会えなくなったのは、急に彼女に会えるようになったから?

聞きたいのに聞けない。涙をぐっとこらえた。


「──年明けたら旅行でも行こう」

「旅行?」

「あぁ。もえが行きたい所行こうな」


竜くんはズルイ。

あたしが喜びそうなことを知っているんだから。




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