あの日の恋を、もう一度
「…っおかしいよ、おかしい!」
「…そうだね」
「私、それほどのことしたんだよ?!」
今でも思い出す。
寒かった、あの日。
『ごめんね』
『…何でだよ、絢芽…』
『…学校が違えばきっと、自然消滅になる。なら、お互いに一から始めよう?』
『…っ』
あの時の私の気持ちも。
最後に見た、あなたの悲痛な表情も。
何もかも、すべて。
「あなたにそんな言葉、掛けてもらえる資格なんて―――」
「それは、絢芽が決めることじゃない」
「…っ、そう、だけど…!」
確かにそう。
そうなんだけども。
私は、逃げたくて仕方ないの。
その続きを、聞きたくないの。
なんて言われるかが、怖くて。