あの日の恋を、もう一度





「ふうん…じゃあ、その話が本当ならいいの?私が河合くん取っちゃっても」

「…」

「絢芽、素直にならなきゃ後悔するよ」





麻衣。
あなたはどちらなの。
私が河合を諦めようと思った一つの理由なんだよ?

麻衣と河合が付き合ってる。
その噂を彼から聞いた時、『それなら、もうこの思いは完全に消そう』と。
そう思ったの。

なのに、どうしてそんなことを言うの…?





「ああっ、もう!」

「えっ」

「絢芽、何か勘違いしてるみたいだけど、私は河合くんとは付き合ってないから!」

「…嘘」

「本当よ、どうしてそんな嘘をつかなきゃいけないの」





『それに私は親友の彼をとらなきゃいけないほど男に苦労なんてしてないわよ』という麻衣。

ごもっともです、なんて言わないけれど、確かにとは思った。






< 26 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop