初恋が実るとき・前編~あの夏を忘れない~
病院の中庭に着くまで
会話はなかった


それでも
暗闇の中
前を歩く彼の後ろ姿に

不安ではなく
安心をおぼえた・・・・



彼の醸し出す雰囲気や空気が
そうさせるのだろうか





病院の建物の前まで送ってもらった



(もう帰っちゃうよね・・・)
ちょっぴり寂しかった・・・



このままお別れなんて・・・・
寂しすぎる




「じゃ、おやすみ」
彼の言葉にすぐに返事が出てこなかった



何か言わなきゃ!!



「あ・・・」
「あ、忘れてた!」

あたしの言葉と彼の言葉が重なった



すると彼が携帯を取り出し笑った



「交換しよ」



「!はい!!」



心がパァッと明るくなった気がした


あぁ
良かった・・・・


これで終わりじゃない


自分からアドレス聞けないなんて
なんて情けないの!!


でも良かった




これで彼と繋がれる・・・・・・







あたしはあの日
あなたに恋に落ちたのかな??


もう少し一緒にいたいなって
思ったんだもん










これがあなたとの始まりだったね・・・・・



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