大好きなんだよ!!
私のことを不思議そうに見つめる目の前の男の子。
そうだよね。
こんな女、引くよね。
だって私が男の子だったら絶対引いてると思うし。
もうこのまま、私なんか無視して自分の携帯だけ持ってどっか行ってくれたらいいのに。
そんなことを考えていると、男の子はいきなり地面にしゃがみ込んだ。
そして少し迷ったような間を置いて1台の携帯を手に取る。
「はい。」
優しい笑顔で差し出された携帯。
震えを堪えながら差し出した手に、そっとその携帯が置かれる。
「―…オレも同じ携帯です。それじゃ。」
男の子はそれだけ言うと、もう1台の携帯を自分のポケットに入れて立ち上がる。
そして、優しい笑顔のままで私たちの前から立ち去って行った。
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