大好きなんだよ!!
ぼーっと、その人の去って行く後ろ姿を見つめる。
「瑛未たん、男の子と喋れたね♪えらいえらい!」
隣のゆいは自分のことのように嬉しそうに笑う。
私は手の平に置かれたままの携帯に視線を落とした。
…一瞬だけ。
ほんの一瞬だけだけど。
あの人の長い指が携帯と一緒に私の手の平に触れた。
いつもなら硬直するくらいだめなのに、あの人はそんな感じしなかったよ?
……なんか変な感じ。
私、男の子が嫌いなのに…
そんな気持ちと一緒に、私は携帯を強く握りしめた。
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